女性職業名(i femminili professionali)の微妙なニュアンス
2021年 01月 28日
もう何年も前のことですが、イタリアで大変お世話になっていたパルマ音楽院の院長先生(女性)のお宅を訪問した時のことです。呼び鈴を鳴らすとご主人が出てこられたので、私が “C’è la direttrice? 院長先生はご在宅ですか?”と尋ねたところ、“Non c’è la direttrice………, ma c’è il direttore.”という答えが返ってきたのです。
イタリア語では職業を示す単語に男女を表すための形があるものの、女性でもあえて男性形を使うことによって敬意を示し、むしろ女性形で言うことが失礼にあたるような場合があります。
言い換えれば、職業にもよりますが、職業名を女性形で言うのを好まず、男性と同等であるという観点から、あえて男性形を使う女性が多いのです。
Sto studiando per fare l’avvocato.(私:女性)は弁護士になるために勉強しています。)
弁護士 :i’avvocato (男性) – l’avvocata / l’avvocatessa (女性)
大使 :l’ambasciatore (男性) – l’ambasciatrice (女性)
医者 :il dottore (男性) – la dottressa (女性)
