2019年 05月 19日
ラヴェルのボレロとトスカニーニ

この曲はバレー曲には興味のなかったラヴェルが、ロシアのバレリーナー「イダ・ルビンシュタイン(1885-1960)」の強い要請に屈して書いた作品です。

1930年5月4日パリオペラ座で、その当時指揮者としての名声を得ていたトスカニーニの指揮によってこの曲が演奏されたとき、ラヴェルは前方のボックス席で聞いていました。この曲の演奏が終わるや否や、拍手大喝采が起り、指揮をしたトスカニーニはこの拍手に応え、成功を分かち合おうとラヴェルを舞台上に呼んだところ、ラヴェルは席に座ったまま動こうともせず「Trop vite, trop vite!:速すぎる、速すぎる!」と、みなに聞こえるように大きな声で言ったのだそうです。トスカニーニの演奏はラヴェルの理想としていた17分よりも数分早く終わってしまったということで、楽屋に戻ってからも二人の議論は続き、二人は和解はしたものの、トスカニーニは二度と「ボレロ」を演奏しないと誓ったそうです。

by aula-magna
| 2019-05-19 10:49
| ・音楽家とそのエピソード
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