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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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神様とDIO

外国人に「あなたの宗教は?」と質問される度に答えに窮します。私の母はクリスチャンであったので、幼い頃、そして今でも母を想い時々、教会へ足を運びますが、私はクリスチャンではありません、かといって無宗教という訳でもありません。

また、我が豊島家先祖代々のお墓は、愛媛県宇和島市にあり、地元の宇和津彦神社に永代祭祀を、お願いしてあるものの、この神社は広い土地を所有していないので、お墓は近隣の宇和島藩主伊達家の菩提寺である金剛山大隆寺の敷地内にあるのです。つまり間借り?していることになり、私でさえ、この関係は不思議に思えるので、外国人に説明しても理解されないと思います。また我々家族にとって、この神社はお墓参りと祭事の他は身近なものとは言えません。

日本人は、万物に神が宿っていると考え、教義を立てることなく、八百万(やおよろず)の神を信じているとされています。また神を神様と言って祭り上げ、神と人との間に強い繋がりを持たないように思います。一方、キリスト教の神(伊語:DIO)は、この万物の創造主なのです。

イタリアオペラ 「蝶々夫人:Madama Butterfly」 第一幕、結婚式の場面では、台本作家は、蝶々さんの親族たちに神をDIOではなく、KAMIと言わせています。そして蝶々さんは、結婚するにあたっての覚悟を、ピンカートンにこう伝えます。

Colla nuova mia vita
posso adottare nuova religione.
Dirvi ben non saprai
se del bene o del mal chiaro discerno:
noi preghiam mille Dei,
voi pregate un sol Dio grande ed eterno...

神様とDIO_f0172744_1726159.png新たな私の人生のために
新しい宗教を自分のものにすることができます。

(以下4行は初演版から)
うまく言えませんが
善し悪しは別として
私たちは千もの神に祈ります、
あなた方は偉大で永遠である唯一の神に祈るのですね...


このことを僧侶の叔父Bonzoに知られ、蝶々さんは親族たちに見捨てられることになってしまいます。

参考:加藤隆 旧約聖書(神が動くのを待つ、そこに希望がある。)


by aula-magna | 2017-01-07 17:34 | ・イタリアオペラの話 | Trackback | Comments(0)