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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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「ピノッキオの冒険」が生まれた事情

「ピノッキオの冒険」の作者である作家カルロ・コッローディ(Carlo Collodi:1826~
90)は、最初は少年少女のための作品を書くことは考えていませんでした。
遊び人の彼は、ある晩賭け事に負け、千リラを支払わなければならなくなり途方に
暮れて家に戻ろうとしていました。その様子を見た出版社のフェリーチェ・パッジが、
肩代わりしするから、翌朝自分のところへ来るようにと言ったのです。半信半疑で
コッローディは翌朝彼の許を訪ねると、パッジは千リラを渡し領収書にサインをさせ
ました。そこには条件として1年以内に児童のための本を書くことが記されていました。
「ピノッキオの冒険」は、こうしてこの世に誕生しました。

この作品が発表された19世紀末は、イタリアが領土的統一を達成したばかりで、
新しい国家体制が確立される時期でした。それに呼応し未来を担う子供たちのために
児童文学作品が盛んに生み出されてゆきました。その代表的作品がデ・アミーチス
(Edmondo De Amicis:1846~1908)の「クオーレ」と、この「ピノッキオの冒険」です。

ピノッキオは、ジュセッペ爺さんが松の木(PINO:ピーノ)から作り上げた操り人形
です。人間の子供と同じように話したり動いたりでき、しかもたいへんな腕白こぞうで、
ジュセッペ爺さんに苦労ばかりかけていました。ついには勢い余って長い冒険の旅に
出てしまいます。様々な事件に巻き込まれ危険な目にあうのですが、旅路の果てに
体の弱ったジュセッペ爺さんに再会します。そして、この父親のために必死に働くよう
になり、ある朝、操り人形のピノッキオは、人間の子供に生まれ変わっていたのです。

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by aula-magna | 2009-04-28 01:04 | ・イタリアの芸術 | Trackback | Comments(0)