イタリアオペラ翻訳家 とよしま よう のブログです。


by aula magna
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読む楽しさ

本にもっと親しもうと、東京で1月27日、建築家の安藤忠雄氏が代表を務める国民読書年
推進会議「国民読書年宣言集会」が開かれ、「2010年を国民読書年と位置づける」という
アピールが採択されました。

文字は時間の流れに左右されることなく自分のペースで、いつでも何回でも読むことが
できます。また文字を書くことはもちろん、読むのには時間がかかります。この時間が
創造力を掻きたて、新しい発見を呼び起こしてくれます。
サルトルは「読むというのは導かれた創造だ」と言ったそうです。
これは翻訳にも言えることですが、翻訳は原文に敬意を払い愛情を持つことによって
初めて可能となり、読書よりも更に時間を必要とします。そして時間がかかる分だけ
発見も多く、訳者が自分では創造し得ない世界が、原文に導かれ、新たな姿として
生まれるのです。
本を読むことは知識を与えてもらいながら、自分の創造力を培わせてくれる力強い師を
得ることとでも言えるのではないでしょうか。

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by aula-magna | 2010-01-31 00:36 | ・日記 | Trackback | Comments(4)
久しぶりにイタリア語について。
イタリア語の直説法の過去には、半過去(imperfetto)近過去( passaro prossimo)
遠過去( passato remoto) があり、二つ以上の過去の出来事のうち、先に起こった過去を
示すために大過去( trapassato )、先立過去( trapassato remoto )が存在しています。

半過去は過去の一定期間の状態を示すために用いられます。
一方近過去、遠過去は完了を表します。この完了の過去である近過去と遠過去の二つの
違いが訳す上でとても大切になります。近過去は今に繋がる完了の過去を表現するのに
対して、遠過去は歴史上の事実を述べる他に、精神的に遠い、あるいは遠ざけたい過去を
表します。したがって現在から切り離された、切り離したい過去に用いられるのです。
少し前に起こったことでも遠過去が用いられていれば「忘れたいのか?」「嫌だったのか?」
と想像が膨らみます。
また童話やおとぎ話は、現実から遠いイメージを膨らますため遠過去で書かれています。
イタリア語を学ぶにあたって初めは童話を選ぶ方がよくおられますが、遠過去で書かれて
いるので日常会話からはほど遠く、しかも難しいのでご注意を。

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by aula-magna | 2010-01-24 16:41 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(8)

「新しい」ということ

今年は友を誘って神田明神に初詣をし、その後、新しい六本木をゆっくりと歩きました。
ほとんど全てのお店でバーゲンセールをやっていましたが、買い物をするお客さんは
少なく物寂しい雰囲気が漂っていました。
お茶でもとカフェを探しながら、けやき坂通りに入ると、目の前のお店のウインドーの
グレーの着物に心奪われしばらく見入ってしまいました。
中を覗くとそれぞれが良く似合うグレーの色調の着物を着た男女が行ったりきたり、
そのテンションの高い雰囲気に引き込まれるように店内に入りました。
古典的であるのに斬新な新しいエネルギーが......? この力は何だろう??
お店の方の説明によると京都の染物の職人さんが、伝統的な着物を今の時代に
おしゃれで洗練されたものとして着られるものにしたいと創作し、あえて六本木に
お店をオープンしたのだそうです。生活のテンポや美意識が大きく変化してきた中で、
保守的なままではいられなくなった伝統が底力を発揮して美しく生まれ出たとでも言う
ような力強さがありました。
最近はオペラも新演出のものが多くなりましたが、ただ新しいだけでは人を魅きつける
力は弱いもののように思えます。培われてきた基盤を大切にしたうえで生まれた新しさ
にはエネルギーがあります。そしてまた生活や仕事に流行を取り入れる必要はないけれど
それを知っておく必要はあるのではないかと思いつつ.... 新しい年が始まりました。

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by aula-magna | 2010-01-16 15:13 | ・日記 | Trackback | Comments(10)
イタリアでは、東方の三博士が「不思議に光り輝く星」に導かれ、ベツレヘムの町はずれの
馬小屋へキリストの礼拝にやってきたのが1月6日(エピファニア:Epifania) とされ、
クリスマス・シーズンはこの日まで続きます。教会や家庭でも飾るキリスト降誕の場を
人形などで作ったプレセーピオ(Presepio)は、この三博士を加えてはじめて完成されます。

この日は、またベファーナ(Befana)と呼ばれる魔法使いのおばあさんが、空飛ぶ魔法の
ほうきに乗って子供たちの家を訪れ、良い子にはお菓子(Tollone)を、悪い子には炭
(Carbone)を配るとされています。
前の晩子供たちは部屋に長靴下を下げ、空飛ぶ魔法のほうきに乗ってやってくるおばあさん
に思いを馳せてドキドキしながら眠りにつきます。

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by aula-magna | 2010-01-06 00:26 | ・イタリアのこと | Trackback | Comments(10)
「良い台本、即ち良い詩人を見つけること以上の望みは私に存在しえない。
主題が新しく、偉大で、美しく、変化に富み、斬新である台本、それも究極の斬新さ、
と同時に新しい形での作曲可能な台本が欲しい。」
このときヴェルディは「La Traviata:椿姫」の作曲中でした。
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1853年(ヴェルディ40歳)という年は、1月19日にローマのアポッロ劇場で
「イル・トロヴァトーレ」の初演、3月6日にはヴェネツィアのフェニーチェ劇場で
「椿姫」の初演が行われています。

求めるもので共感できる友、協力者の存在は、想像以上の良い結果を生み出します。
皆様にとって2010年が、良い出会いによって実り多きものとなることを願っています。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

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by aula-magna | 2010-01-01 00:00 | ・イタリアオペラの話 | Trackback | Comments(6)