イタリアオペラ翻訳家 とよしま よう のブログです。


by aula magna
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<   2008年 09月 ( 11 )   > この月の画像一覧

イタリア語は、形容詞をしばしば副詞的に使います。
例えば、Ride felice. の訳は「彼は幸せそうに笑う」です。
Ride:ridere (笑う)の三人称単数の変化形、felice(幸せな)形容詞。

以下は、オペラ「椿姫」の第一幕 第三景:夜会で気分の悪くなったヴィオレッタを
アルフレードが気遣い、二人の心が近づく二重唱の前半です。

Violetta:                ヴィオレッタ:
Da molto è che mi amate?   私を随分前から好きでいてくださったの?

Alfredo:                アルフレード:
Ah, sì, da un anno.        ええ、一年も前から。
Un dì, felice, eterea,       ある日、幸せにも、天上の人とも思える貴女が
Mi balenaste innante,      稲妻のように僕の前に現れたのです。
E da quel dì tremante      そして心ときめいたあの日から  
Vissi d’ignoto amor.        僕はいまだ知らなかった愛に生きているのです。
Di quell’amor ch’è palpito    その愛は、
Dell’universo intero,       全宇宙の鼓動であり
Misterioso, altero,         神秘的で気高く
Croce e delizia al cor.       この心は苦悩しながらも歓びにあふれるのです。

今までずっと、このfelice は形容詞として「幸せなある日」と訳されてきていますが、
felice は、un dì, (ある日) にかかるのではなく、アルフレードの気持ちは
副詞的に「ある日、幸せにも、貴女が僕の前に現れた」でなければならないのです。

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by aula-magna | 2008-09-27 20:41 | ・イタリアオペラの話 | Trackback | Comments(2)

ランプシェードのお店

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私のホームページの「TOPIC」で使用している写真です。(foto Yoh)

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by aula-magna | 2008-09-24 23:15 | ・フォトアルバム | Trackback | Comments(0)

雨ニモマケズ

宮沢賢治賞を受賞した作家ロジャー・パルバース(Roger Pulvers)氏についての
記事を読みました。(朝日新聞9月22日朝刊)
**以下抜粋**
**宮沢賢治の名作「雨ニモマケズ」を英語にどう訳すか。すでに出ている英訳本は、
どれも「負けず」を否定的に訳している。ところが、この人は「Strong in the rein」
と初めて肯定語で表現した。「賢治は『マケズ』に、頑健な肉体と精神への願いと
祈りを込めた。それを際立たせたかった」 ~ 中略 ~
「銀河鉄道に乗って、どこまでも旅を続けたい。ソウイウモノニ ワタシハナリタイ」**

ロジャー・パルバース氏の表現の決断には、宮沢賢治への深い思いが裏打ちされています。
翻訳するにあたって、イタリア語は肯定なのに、日本語では否定語にしないとうまくゆかない
ケースに度々ぶつかります。
例えば、Hai capito poco. 直訳すれば「君は少し分かった」、
日本語にすると「君は良く分かっていない」。
Tu sei una persona con le idee poco chiare.
「君は考えが少しだけはっきりした人だ」、日本語では「君は考えのはっきりしない人だ」。
同じ内容でも肯定語で言うと明るい..... 言語にはその国民の考え方が反映しているため、
このニュアンスをどうしたら伝えられるのか?等々..... 私の旅もどこまでも果てしない。

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by aula-magna | 2008-09-23 16:18 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(0)
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(foto Yoh)
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by aula-magna | 2008-09-21 21:20 | ・フォトアルバム | Trackback | Comments(0)

Il Tabarro : 外套

「Tabarro:タバッロ」 とは、ヨーロッパの厳しい寒さから身を守るために考案された
足首まである男性用のマント形外套のことです。北イタリアで一昔前、颯爽と羽織る
姿の格好良さに、お洒落な男性達の間で流行しました。
イタリアの映画監督故フェデリコ・フェリーニも愛用していたので目に浮かぶ方もいらっ
しゃると思います。またドラキュラが着ていたと言えばすぐにイメージが湧きますね。

プッチーニのオペラ 「三部作:Il Trittico」は、「外套:Il Tabarro] 「修道女アンジェリカ:
Suor Angelica」 「ジャン二・スキッキ:Gianni Schicchi」の三作で構成されています。
最初の 「Il Tabarro」 は、貨物船の船主である初老のミケーレが、若い妻ジョルジェッタ
の心変わりに絶望し、ついには船へやって来た彼女の愛人を殺して外套に隠します。
それを知らぬジョルジェッタは、やはり夫の元へ戻ろうと、船の外にいる夫に話しかけます。
ジョルジェッタ : 私を許して… 傍に寄ってもいい?
ミケーレ    : 外套の中へか?
ジョルジェッタ : あなたの傍に… いつかあなた私に言っていたわね。
   誰もが喜びや、時には苦しみを隠すために外套を持っているって。
ミケーレ    : 時には罪さえもだ! 俺の外套へ来い! 来るんだ!
*幕*
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by aula-magna | 2008-09-19 18:23 | ・イタリアオペラの話 | Trackback | Comments(2)

敬老の日

再びイタリア語から離れて......
敬老の日になると母方の親戚でお灸博士と呼ばれていた原志免太郎爺を想い出します。
18年程前、男性の長寿日本一で当時108歳、敬老の日に何年か続けてテレビに出演し、
現役の医者として元気よく話をしていた姿に驚いたものです。
福岡市で昭和6年香椎原病院を設立し、36年まで院長をしていましたが、院長を継いだ
長男が61年に死去したため、同年100歳を超えた身で再び院長に返り咲いたのです。
病院は老人患者を対象とする内科医院で、治療に役立てるためお灸の研究をしていました。
また静岡県で 「秋疫(あきやみ)」 と呼ばれていた風土病の病原体を発見し、ホタルが
多い地域には患者が少ないことに気付き、この病気の多発地でホタルの養殖を試みる
活動もしていたそうです。
私にはこのユニークな人が親戚であるというのが、なぜか大変心強いのです。

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by aula-magna | 2008-09-16 00:11 | ・日記 | Trackback | Comments(0)
ペルージャ外国人大学に在学中、機会に恵まれてペルージャ音楽院の音楽史の
コースに通っていたことがあります。
イタリア語での講義を理解するのがまだ大変だった頃で、最初のテキスト無しの講義では
「バック」~~~「ショピーン」 と不思議な単語が何度も出てきて面喰い、何が何やら
分からぬまま授業が終わってしまいました。
当時イタリアでは、「Bach :バッハをバック(伊語ではhは発音しません)」
「Chopin :ショパンをショピーン」 とイタリア語読みで言っていたのです。
Rachmaninovは、今でもラクマニノフです。
プッチーニのオペラ 「蝶々夫人:Madama Butterfly」 を"マダーマ・ブッテルフライ"と
発音するのには少々抵抗がありました。

私が初めて渡伊した1972年はミュンヘンオリンピックの年でしたが、テレビでは
「Giochi Olimpici di Monaco」 と言って放送されていたので、「なぜモナコ?」と
不思議に思ったものです。イタリア語でMonaco:モナコと言えばミュンヘンで、
モナコ公国は、Principato di Monaco となります。
オーストリアの首都ウィーンは、イタリア語ではVienna :ヴィエンナです。
今では笑い話のようなことも、少し前までは情報が少なく辞書も簡単なものでしたので、
分かるまでにエネルギーを要しました。

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by aula-magna | 2008-09-13 23:14 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(2)

詩人の恋

イタリア語から離れますが........
シューマン作曲「詩人の恋」を芝居にした加藤健一さんの音楽劇を、昨夜下北沢の
本多劇場で観てきました。
加藤健一扮する声楽家マシュカン教授と、挫折した若きピアニストスティーブン
(畠中洋)が、教授に歌を習うことで生じる二人の魂のぶつかり合いが、深く、鋭く、
そしてユーモアにあふれて展開されるのです。美しい歌声と台詞を聞き逃すまいという
気持ちのまま、充実した舞台に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
いくつもの包容力のある台詞が心に残って、安心感とでもいうような静かな感動が
じわ~~っと押し寄せてきました。
加藤健一さんはこの舞台を成し遂げるために、どれだけ自分を磨き、どれだけ準備と
稽古を積み重ねてきたのかと考えると気の遠くなる思いです。

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by aula-magna | 2008-09-10 22:23 | ・日記 | Trackback | Comments(4)

ミラノのGalleria

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(foto Yoh)
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by aula-magna | 2008-09-06 16:35 | ・フォトアルバム | Trackback | Comments(0)

Bis! bis!

イタリアではアンコールを “Bis” といいます。演奏会などの最後にアンコールを
求めるとき “Ancora : もう一度” とは言わず “Bis! bis!” と言います。
“bis- , bi-” はラテン語語源の「二度」を意味する言葉です。
たとえば “biscotto = bis + cotto : 二度焼かれた -- ビスケット”
“bilingue = bi + lingue : 二ヶ国語を使える -- バイリンガル”
“bicicletta = bi + cicletta ( ciclo:サイクルの縮小辞) --- 自転車”
“biennale : 2年に一度の”

ちなみに“tri-”は「3」 を意味します。
“triangolo = tri + angolo : 3つの角 -- トライアングル” 
“tricolore = tri + colore : 三色の、三色旗”

コンサートなどで感激したときヨーロッパ式に “Bis! bis : ビス!ビース!” と
言ってみてはいかがでしょう。

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by aula-magna | 2008-09-05 21:18 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(0)