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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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雨ニモマケズ

宮沢賢治賞を受賞した作家ロジャー・パルバース(Roger Pulvers)氏についての
記事を読みました。(朝日新聞9月22日朝刊)
**以下抜粋**
**宮沢賢治の名作「雨ニモマケズ」を英語にどう訳すか。すでに出ている英訳本は、
どれも「負けず」を否定的に訳している。ところが、この人は「Strong in the rein」
と初めて肯定語で表現した。「賢治は『マケズ』に、頑健な肉体と精神への願いと
祈りを込めた。それを際立たせたかった」 ~ 中略 ~
「銀河鉄道に乗って、どこまでも旅を続けたい。ソウイウモノニ ワタシハナリタイ」**

ロジャー・パルバース氏の表現の決断には、宮沢賢治への深い思いが裏打ちされています。
翻訳するにあたって、イタリア語は肯定なのに、日本語では否定語にしないとうまくゆかない
ケースに度々ぶつかります。
例えば、Hai capito poco. 直訳すれば「君は少し分かった」、
日本語にすると「君は良く分かっていない」。
Tu sei una persona con le idee poco chiare.
「君は考えが少しだけはっきりした人だ」、日本語では「君は考えのはっきりしない人だ」。
同じ内容でも肯定語で言うと明るい..... 言語にはその国民の考え方が反映しているため、
このニュアンスをどうしたら伝えられるのか?等々..... 私の旅もどこまでも果てしない。

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by aula-magna | 2008-09-23 16:18 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(0)