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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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名前と私

私は、今NHKの朝の番組「花子とアン」を、楽しみに見ています。朝の連続ドラマを見るのは「おはなはん」以来のことです。
幼いころ母が薦めてくれた「赤毛のアン」、それを手にしたとき、なぜか翻訳者の「村岡花子」という名前が印象的で、物語の内容とともに、自然な優しさで包み込んでくれるような暖かさを感じたのです。そしてそれが忘れられないものとなっていた私は、始まる前から楽しみにしていました。特に今放送中の場面にある、村岡花子さんが、「子」にこだわっていることは、自分のことと重なり興味津々です。

そこで私の場合の「子」について少し.......
父によると「子」というのは、かつては尊称で「老子」「孔子」のような人につけるもの、自分から名乗るものではないと、私の名前には「子」をつけず「洋」としたのだそうです。

その「洋」が、小学校の入学式の日に、突然、「洋子」に変わったのです。子供ながら、なぜだろうと思いつつも、いつのまにか「洋子」と呼ばれても抵抗なく返事をするようになっていきました。
三年生になって担任が理科の男の先生に変わり、この先生が書道も教えてくださるようになったとき、「最後の行には、自分の名前を心をこめて書くこと」と仰ったので、私は躊躇うことなく、小学生になって初めて自分の名前を「洋」と書いたのです。翌日、職員室へ呼ばれ、「こんなふざけたことをしてはいけません」と、ひどく叱られました。ふざけたつもりのない私が「本名は洋なのです」と思い切って答えたところ、先生はとても驚き、職員室がちょっとした騒ぎになりました。
母が学校に呼び出され、その日からすべての書類が「洋」に書き戻されました。真相は入学時の担任の先生が、「洋」では男の子と間違えられて可哀想と、私のためを思い「洋子」と書き換えたのだと聞きました。
私の場合は村岡花子さんの時代とは違い、名前に「子」がつくのが普通ですので、「洋」がペンネームと思われることもしばしばです。
by aula-magna | 2014-05-25 08:29 | ・日記 | Trackback | Comments(0)