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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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オペラの原作は、大成功を収めた小説や戯曲

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の原作の小説「蝶々夫人」は、アメリカ・フィラデルフィアに住む当時37歳の法律家ジョン・ルーサー・ロング(1861~1927年)によるもので、アメリカの雑誌センチュリー・マガジンに発表されました。異国情緒豊かな悲しいロマンスが当時の人々の好みに合いベストセラーとなりました。
ロングの姉サラ・コレルが宣教師の妻として長崎に6年間滞在し、このサラが出入りの商人から聞いたと言う哀れな日本人娘の話に、ロングは心を動かされ強い創作意欲を掻き立てられたのです。この本を執筆後、ロングは文学に転向し名を馳せました。

「ラ・ボエーム」はアンリ・ミュルジェ(1822~1861年)の小説と戯曲「放浪芸術家たちの生活風景」を原作としています。小説は1845~1848年、フランスの文学雑誌「海賊:Le Corsaire」に連続小説として掲載され、この小説の成功に気をよくしたミュルジェはこれを戯曲化しました。
この芝居は1849年11月22日にはパリのヴァリエテ座で初演され、観客の中にはパリの芸術家たちも顔を揃えるなど劇場は満員となり、大成功をおさめました。そしてミュルジェの崇拝する大詩人ヴィクトール・ユーゴーからはお祝いの手紙が届いたのです。
by aula-magna | 2011-09-22 22:40 | ・イタリアオペラの話 | Trackback | Comments(0)