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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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夢見るシャンソン人形

フランス語を長い間勉強している知人に「“夢見るシャンソン人形”“ろくでなし”と
いうシャンソンを知っていますか?」ときかれ、メロディーは知っていても日本語の
歌詞で覚えてしまっているので、本当の内容を知らないことに気づかされた。
彼女は最近友人に頼まれてフランス語の歌詞を訳し、その内容が日本語の歌詞と
かけ離れていたので不思議に思ったそうである。フランス語の歌詞はとても具体的で
人間の生き様がはっきりと描かれているが、日本語ではそこには深く触れていない。
エディット・ピアフの“愛の賛歌”も同様である。もし、日本語の歌詞が原語に忠実で
あったなら、果たして日本でヒットしたであろうか?そして、これらの曲の日本語歌詞は
訳詞ではなくて作詞となるのであろうか?などと話がはずんだ。
因みに坂本九の“上を向いて歩こう”は、なぜか“すき焼き”の名で世界に知られている。
いずれも一昔前のヒット曲ではあるが、国民性と言葉の関係を考えさせられた。

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Commented by SacraFiora at 2010-09-19 01:04 x
このブログを読んで思い出したことが!ボローニャのシルビアさんにイタリア語を習っていた時、ある日彼女は私にイタリア語の辞書は今後持ってこないで!と??私が説明するから!!と・・・?彼女は私の理解出来ないところを丁寧なイタリア語でわかるまで説明してくれました。後々わかったことですが、彼女は日本語がとても上手でした!このことを通じて何かとてもイタリア語以上に大切なことを教わったと感じています。洋さんの訳のように私も歌で伝えることが出来たら・・・どんなに幸せだろうかと思います。本当のところどうなんだ?と思っている人は沢山いらっしゃると思います。
Commented by aula-magna at 2010-09-19 09:55
日本人で外国語に抵抗を感じている方の多くは、自分の枠から出ることなく、日本人の発想で解釈しようとしているからのように思います。垣根を取り払ってそこに何があるのかを発見しようと思うと、外国語はまるで推理小説のようです。
イタリア語の歌詞で日本語に訳されていても良く分からないものは、訳者が本当の意味、核心に触れていないからです。これをどこまで解決できるかが私のテーマです。
by aula-magna | 2010-09-17 00:41 | ・日記 | Trackback | Comments(2)