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イタリアオペラ翻訳家 とよしま 洋 のブログです。


by aula magna
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遠過去 ( passato remoto ) の話

久しぶりにイタリア語について。
イタリア語の直説法の過去には、半過去(imperfetto)近過去( passaro prossimo)
遠過去( passato remoto) があり、二つ以上の過去の出来事のうち、先に起こった過去を
示すために大過去( trapassato )、先立過去( trapassato remoto )が存在しています。

半過去は過去の一定期間の状態を示すために用いられます。
一方近過去、遠過去は完了を表します。この完了の過去である近過去と遠過去の二つの
違いが訳す上でとても大切になります。近過去は今に繋がる完了の過去を表現するのに
対して、遠過去は歴史上の事実を述べる他に、精神的に遠い、あるいは遠ざけたい過去を
表します。したがって現在から切り離された、切り離したい過去に用いられるのです。
少し前に起こったことでも遠過去が用いられていれば「忘れたいのか?」「嫌だったのか?」
と想像が膨らみます。
また童話やおとぎ話は、現実から遠いイメージを膨らますため遠過去で書かれています。
イタリア語を学ぶにあたって初めは童話を選ぶ方がよくおられますが、遠過去で書かれて
いるので日常会話からはほど遠く、しかも難しいのでご注意を。

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Commented by kie at 2010-01-24 19:47 x
半過去、近過去、遠過去…最初から文法用語もイタリア語で頭に入れておけばよかったのですが、それをしなかったために、イタリア人の先生やイタリア語で書かれた参考書を読むところでつまずいています。またいろいろ、イタリア語のお話をしてくださいね。
Commented by aula-magna at 2010-01-25 00:19
イタリア語は時制がすっきりとしているので、一度頭に入れてしまえば、構文が分かりやすくなります。Kieさん是非イタリア語もレパートーリーにしてください。
Commented by SACRA FIORA at 2010-01-25 21:49 x
さすが洋さんです!イタリア語のテキスト同様に分かりやすくスッと心に入ってきます。先日の仮面舞踏会の字幕も音楽家が表現できない所を洋さんの字幕が代わりに表現して下さいました!洋さんの字幕は指揮者や歌手以上に音楽的です!イタリアオペラの字幕第一人者として、これからもご活躍を心から期待してます!!!
Commented by aula-magna at 2010-01-26 01:00
ありがとうございます。もっともっと工夫して字幕を読んでいたことを忘れて音楽に入り込めるようなところまで行きたいと考えています。
いつも色々アドバイスをしていただき感謝しています。
Commented by kie at 2010-01-26 23:57 x
洋さんの心強い励ましの言葉を胸に、今日から正式にイタリア語受講してきました。イタリア語って聞いているだけで楽しい、意味がわからなくても…なんてのんきに構えていられなくなったので、頑張ります。
Commented by aula-magna at 2010-01-27 13:11
Kieさん頑張ってください。ドイツ語の下地があるので、きっと良い結果が!!!楽しみにしています。
Commented by Kie at 2010-01-30 13:58 x
ここのところずっとMariella Devia のCDを聴いています。Bellini のアリア、声楽のレッスンに通っていた頃も「素敵な旋律だ」とは思っていましたが先日久しぶりに耳にしたらなぜか涙ぐんでしまいました。sospiro、とかgioia、とか、発音と響きが一粒一粒、繊細につながっているというか…なんと表現したらいいのでしょう。昔、Renata Scottoが公開レッスンで「この母音を発語する喜びを感じながら声を出して」と言っていたのとか、色々思い出しています。イタリア語はやっぱり美しい。
Commented by aula-magna at 2010-01-30 16:14
Mariella Devia は本当に素晴しいです。昨年のコンサートではサントリーホールの舞台後ろの席をやっと購入して行きました。思いがけずDevia の歌う後姿から、発声方法、声の飛んでゆくラインまでもはっきりと見えて素晴しい経験でした。
イタリア語は音節の一つ一つが真珠の首飾りの粒のようにそろっていることが大切と学びました。「母音を発語する喜びを感じながら声を出す」とは何と素敵な表現でしょう。皆に伝えてゆきましょう。
by aula-magna | 2010-01-24 16:41 | ・イタリア語コラム | Trackback | Comments(8)